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更新法話

当寺院では、月に一度皆様にわかりやすい法話、

「両手を合わせる」

掲載日: 記事No.91

先日、母が大変親しくお付き合いさせていただきました、愛媛の国民詩人、坂村真民先生の坂村真民記念館に23年ぶりにお伺いし、三女の西澤真美子さんと旧交をあたためました。

詩人の板村真民さんの詩に『手』という詩があります。こんな詩です。

両手を合わせる

両手で握る

両手で支える

両手で受ける

両手の愛

両手の情

両手合わしたら

けんかもできまい

両手に持ったら

こわれもしまい

一切衆生を

両手に抱け

とかく私たちは器物を片手で持つから、落としたりなどの粗相をするのです。だいだい片手の手だけで処理するのは、その器物を愛していない証拠です。

茶の湯の利休さんは、

何にても置きつけかえる 手ばなれは恋しき人にわかると知れ

と両手で物をささえ下に置いて、その手をはなすときは、道具とではなく恋人との握手を解く思いでせよ、と門人に教えをしています。

この心ですべての人を両手で抱くなら、人間関係は滑らかにいくのは明らかです。

この両手を合わせると、信と敬と愛とつつましやかな合掌となります。

また、古い道歌はうたいます。

右ほとけ 左衆生と 合わす手の中にゆかしき 南無のひと声

人生を大切に生きる。

どうぞ、皆様、それぞれの人生を、この「両手で持つがごとく」、一日一日を大切に過ごされます事を願っています。

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