最近、福田寺の関連施設、木田幼稚園のお子さんと一緒に畑や田んぼで野菜類を育てる機会が多くなりました。その中で野菜の「根」も人の「根」も養うことの大切さを痛感しております。
「八風吹けども動ぜず天辺の月」という禅語があります。八風というのは人を迷わす八つの障害(利益を得たり無くしたりすること、陰でそしったり褒めたりす ること、心身を悩ませたり喜ばせたりすること)などですが、人として心の「根」をしっかりと養っておくことの大事さを、強風の中でも微動だにしない「天の 月」に譬えた言葉です。
お釈迦様はこの「根」を養うための六つの方法を教えてくださっています。
一、与えること 二、戒めの心を持つこと 三、苦難に耐える心を持つこと 四、仕事に一生懸命打ち込むこと 五、心を落ち着かせること 六、知恵(一から 五までを行うと自然と生まれてくるもの)の教えです。特に「苦難に耐える心を持つこと」は「根」を張るのに一番大切なものとお釈迦様は教えられています。
小さなお子さん達と時間をともにしますと、6歳の時期までにこそ人としての「根」を養う大事さを切に感じます。懇意にさせていただいておりました故、相田みつを先生の詩「いのちの根」を紹介させていただきます。
どうぞ、それぞれの皆様が、しっかりした自分の「根」をお育て下さい。
なみだをこらえて かなしみにたえるとき
ぐちをいわずに くるしみにたえるとき
いいわけをしないで だまって批判にたえるとき
いかりをおさえて じっと屈辱にたえるとき
あなたの眼のいろが ふかくなり
いのちの根が ふかくなる