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お内仏について

掲載日: 記事No.19

今回はお仏壇についてお話しをいたします。

浄土真宗では、「お仏壇」のことを「お内仏(ないぶつ)」と呼びならわしてきました。他宗の仏壇と区別するために、名称を変えてきたということではありま せん。「家庭内の持仏(じぶつ)」という意味から「お内仏」と言います。お内仏にはご本尊を安置します。家庭の中心にはご本尊(ほんぞん)がなくてはなり ません。そして、「お内仏」と表現することで、浄土真宗独特の意味(宗風(しゅうふう))をいただいてきました。

ご本尊とは、「根本の主尊」という言葉からなりたっており、「もっとも尊いもの」「もっとも尊いこと」という意味です。親鸞聖人は、我々の都合の「尊い」 ものではなく、「阿弥陀仏」こそがご本尊とお示し下さいました。「阿弥陀仏」は「無限なるもの」という意味です。「南無」は、全てをゆだね信順するという 意味です。したがって、「南無阿弥陀仏」とは無限なるものにしたがいますということであり、「南無阿弥陀仏」と称えるとき、はじめて私たちは、この人生に あってもっとも尊いものは「南無阿弥陀仏」であることを知らされます。もっとも尊いものにめざめ、もっとも尊いものと一つになるのです。
もっとも尊いものは「南無阿弥陀仏」であったと我が身にいただくとき、おのずとその徳をほめたたえずにはいられません。それが口に「なむあみだぶつ-南無阿弥陀仏」と称えることであり、身には合掌礼拝の形となってあらわれるということなのです。

合掌礼拝の時はお念珠をかけます。お念珠は宗派によって形やかけ方や意味が違います。大谷派では、次のように説明されています。数珠の珠数は基本的に 108個です。煩悩の数です。煩悩を手にかけて、それをみな仏様の前に差し出す。それが拝むということです。数珠をかけて拝む。阿弥陀仏の尊顔を拝し、わ が煩悩を凝視し、念仏する。煩悩を差し出すことで救われようとする仏道が、親鸞聖人が明らかにして下さった仏道とういうことなのです。

さて、お内仏は、ご本尊をお掛けして礼拝勤行(らいはいごんぎょう)し、仏法を聴聞(ちょうもん)するところです。真宗門徒は、朝と夕方、「正信偈・念 仏・和讃(わさん)」の勤行(おつとめ)と「御文(おふみ)」(蓮如上人のお手紙)の拝読を日課とし、合掌礼拝と仏法聴聞をかかさないのがよいとされま す。それは、ご本尊=阿弥陀如来(あみだにょらい)に手を合わせて念仏申すことで自己中心的な存在であった自分自身に気づき、生かされていることへの報恩 感謝(ほうおんかんしゃ)の生活を送ることが願われているからです。
また、尊いご本尊にお参りする前には、口を濯ぎ、手を洗い、身前を整えることも心がけてください。

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