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当寺院では、月に一度皆様にわかりやすい法話、

無等等(むとうどう) 比較しないであるがままに

掲載日: 記事No.38

光明月に勝過(しょうが)して 越日(ちょうにち)月光(がっこう)となづけたり 釈迦(しゃか)嘆(たん)じてなおつきず 無等等(むとうどう)を帰命(きみょう)せよ 『浄土和讃』より

親鸞上人が、尊敬する曇鸞和尚のお言葉をいただいた感動の和讃です。
ここには月と日(太陽)が出てきます。太陽は自ら力強く燃えて輝きますが、月は自分では光ることができず、太陽に照らされてはじめて存在を現します。でも、月と太陽にはそれぞれに役目があるのです。
さて、私たちの多くの悩み苦しみの根元は何でしょうか?それは「比較する心」です。たとえば、あの人は活発で、私は陰気臭い。あの人は健康で、私は病気。 でも月と日を見てください。それぞれにそれぞれが黙々と存在し、光を放っています。自ら燃える人もいれば、その光によって輝く人もいるのです。ただし、月 日は私たちの心の中までは照らしてくれません。かわりに私たちの心を照らしてくれるのが、阿弥陀さまの光です。
阿弥陀さまの光にも二通りあります。闇を破る光(破闇)と、すべてのものを照らし育てる光(照育)です。二つの光が私たちの心の中の暗い闇を破り育ててく れるのです。「無等等」とは、あるがままの私に阿弥陀さんが光をあててくださるから、「人と比較することなくそのままの自分を見つめていきなさいよ」とい う教えです。私たちも無意識にあの人と比べてはいませんか。しっかりした自分を持ちたいものです。

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