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当寺院では、月に一度皆様にわかりやすい法話、

煩悩を満足させなかったら、仏法もさかえない。

掲載日: 記事No.40

10月末の中日新聞に本寺とご縁のある愛知専門尼僧堂長、青山俊董先生が沢木興道老師について書かれて見えましたので皆様にご紹介させていただきます。
標題の言葉は仏法のみを振りかざして修行を厳しく教育したために、何人かのお弟子さんが去っていったのを省みて語られた、晩年の沢木老師の言葉だそうです。
つまり、飢えているものにはまずパンを、病人には薬をと、欲しているものを与えることから始めて、どうなっても大丈夫という最後の落ち着き場所まで次第に誘引する。これが本当の親切というものであろうということです。
人間にとって「欲」は大切な生命のエネルギーであって、悪ではない。その欲を「我身がかわいい」という「我欲」の方向へ向けた時、「煩悩」となります。お釈様はこれに対し、「小欲知足」と戒められました。
同じ欲でも「我欲」でなく自身向上の欲として、または世のため、人々のお役に立ちたいという「利他」へと方向付けが出来た時、「欲」は菩薩の誓願になるということです。
如何でしょうか、沢木老師も青山先生も私たちもたった一度の人生しかありません。是非、「利他」の方向に向いた大「欲」張りなりたいものです。

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