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犀の角のごとく独り歩め

掲載日: 記事No.67

お釈迦様には多くのお言葉がありますが、その中で、こんな言葉を紹介させていただきます。

 

「四方のどこにでもおもむき、害心あることなく、何でも得たもので満足し、諸々の苦難に堪えて、恐れることなく、さいの角のようにただ独り歩め」

 

出典は「スッタニパータ」というインドの書物です。この意味は「いかなる状況をも選ばずに真向かい、人びとを大切にして、今の自己自身に満足し、さまざまな苦難を荷負い、どこまでも孤立を恐れずに挑戦し、さいのまっすぐな1本の角のようにただ独りで歩め」となります。

 

ここで「さいの角」とはさいの頭にある1本の角のことです。インドのさいは角が1本。ひろびろとした荒野の中、犀が大地に足を踏ん張ってドッドッと歩いている。しかも群れることなくたった1頭。そのさいの頭には1本の角しかありません。1頭であり、1本。そのさいが大地に足をつけ、いかなるものからも独立して自由なのです。

 

お釈迦様は「私もこのさいの角の様にありたい」とおっしゃられました。

つまり、私たち人間がまわりの状況に振りまわされ、境遇に沈み、自分を捨てたくなってしまう時、自分を失わず、「このさいの角の様にあって欲しい」と願って止まない言葉なのです。

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