平素よりご縁をいただいております、愛知専門尼僧堂堂長、青山俊董先生のお話しが平成26年5月16日付、の中日新聞に掲載されておりましたので、ご紹介させていただきます。
「もうすんだとすれば、これからなのだ。(中略)。なんにも無いから、すべてが有るのだ。(中略)。生まれてくることは、死んでいくことだ。」 -まどみちお-
「人生を円環的に考えてはどうかな」とは、余語翠巌(よごすいげん)老師のお言葉。円相には始めも終わりもない。ということはどの一点を押さえても終着点であると同時に出発点でもあるともいえる。
学校の卒業は社会への旅立ちであり、結婚も新しい人生への出発である。定年退職した人に私は言う。「人生には退職はない。会社という組織の枠に縛れずやっとあなた自身の時間をいただけたんじゃないですか。心躍る思いで新しい人生の創造に取り組んでくださいよ」と。
「ぞうさん」の童謡で有名になったまど・みちおさんが104歳で亡くなられた。「生まれてくることは、死んでいくことだ」と歌って。「死ぬことはうまれていくということ」と、永遠のいのちへの旅立ちを楽しんでおられることであろう。
宗派が違い、恥ずかしいことですが、あまり円相について考えた事はありませんでした。なるほどなるほどと思いさっそく、寺に付属する木田幼稚園の朝礼で若 い教師たちにこのお話しをしました。たまたま子どもたちが育てていた「ざりがに」が死んだという報告があり、「死は悲しいものだけどしっかり子どもたちを 見据えて、体験しなければなりません。私たちの生は死への出発点ですからね」とこの新聞の青山先生の話しを交えてお話しをさせていただきました。
写真1(左) 青山俊董 先生
写真2(中) 青山俊董 先生 書 『円相 常照我』
写真3(右) まど みちお さん