いよいよ本格的な超高齢化社会を迎えようとしています。
15年程前にして私は厚生省の依頼を受け、若いメンバーと共に、1年間全国の小中学生を対象に高齢者疑似体験という事業を行いました。ゴーグルを付けた り、重りを付けたりして、老いを感じるという体験事業でしたが、今のように認知症がこれほど問題になるとは思っていませんでした。
先日、若い女性科学者、小保方さんのSTAP細胞が話題になりましたが、どんなに科学が進歩しても「老いと死」は避けることができないものです。
どう老いて、どう生きるか、お釈迦さまが次の言葉を残されています。
1つ目は、「時間はあっという間に過ぎていき、昼と夜も移り変わる。人の若さも少しずつ消えてゆく。人は死の恐ろしさをしっかりと見つめて、良いことをして心の安らぎを得なさい。世間的な欲望を捨てて、静けさを目指すのです。」
2つ目は、「学ぼうとしない人は牛のように老いる。その人の肉は増えるが、智慧は増えない。」
という言葉です。
この意味の言葉は、老いをどのように迎え、死を迎えるためには智慧をしぼり、1日1日を精一杯生ききらなければならない。また、老若男女、貴賤貧富に限らず、平等に与えられた時間をいかに大切に生きるかという意味のように考えます。
老いを意識しない若者も、今、まさに老いに恐怖を感じる老年者もお釈迦さまのこのお言葉を胸に刻み、この今、この一瞬を精一杯生ききっていきたいものです。
老いについて考える。
掲載日: 記事No.42