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子どもの視点

掲載日: 記事No.50

福田寺が木田幼稚園の保護者の皆様にお配りしています教育新聞「ないおん」より、藍野大学短期大学部、学長、佐々木恵雲先生の書かれました記述「子どもの視点」を以下、ご紹介させていただきます。

 

最近「スマート」ということばを頻繁に耳にするようになりました。スマートフォンは言うに及ばず、スマート家電やスマートハウス、スマートシティーと都市を形容する意味にも使われるようになっています。この場合「スマート」は「ハイテク(先端技術)」という意味で用いられていると考えられますが、世界中で広く流用するにつれ、時代の流れも加味され、このようなハイテクな機器を使いこなすことが恰好がよく、無駄がなく、手際もよい事であり、行動様式も洗練されていると見なされるようになっています。更に物や道具だけでなく、人にも「スマート」を要求するようになっているとは言えないでしょうか。何事にも効率よく、無難にそつなくこなす人が優秀であり、社会にとって必要な人材であるという風潮になりつつあると感じます。

さらに、この傾向が強くなると、要領は悪くても、コツコツと正確に仕事をこなす人や、一つの事を深く極めようとする人が軽視されがちなのが現代社会の現況といえましょう。しかし、本当にこのような社会で良いのでしょうか。

ここで小学校一年生の小沢たかゆき君の“おとうちゃんだいすき”という詩を紹介したいと思います。

 

「おとうちゃん大好き」    小沢 たかゆき

 

おとうちゃんは

カッコイイなぁ

ぼく おとうちゃんに

にてるよね

大きくなると

もっとにてくる?

ぼくも

とうちゃんみたいに

はげるといいなぁ

 

大好きなお父ちゃんがカッコイイのはなぜか?普通の大人達なら、カッコイイ=スマート、ハンサム、おしゃれ等思うでしょう。自然で純粋な子どもの見方は全く違います。世の中の流行や大人の思い込みに惑わされるのではなく、自分の素直な心と気持ちから物事の本質をつかんでいるのではないでしょうか。

人間はそれぞれ他人とは比較不可能な個性、かけがえのない素晴らしい個性を有しているのです。この詩からその個性を大切にし、恥ずかしがらずに表現することが真の「カッコイイ」であるということを教えられた気がします。

画一化、均一化へ向かおうとしている現代社会に必要な事は、それぞれの個性を大切にする多様化ではないでしょうか。

今こそ私たち大人が子どもの視点・見方を見直すことを求められていると思います。

 

如何でしょうか。このお話しを読ませていただきますと私たちが、日ごろ疑問を抱きながらこころに思い抱いている事を明快に答えていただいた様な気が致します。内なる本当の強さ、自信が「カッコイイ」んですね。

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