今回は礼儀について考えてみたいと思います。日本は世界でもっとも「礼儀正しい国」というのが世界の見方です。ところがその礼儀のあり方が少しずつ変わってきているように思われます。
礼儀とは、その人が持つ感性の原点です。
礼儀とは、好き嫌いで判断するものではなく、そこにあるべきものです。それをわきまえないのは鈍感な人と言われても仕方がありません。
礼儀が身についていないなら、まず、「おかげさまで」と口にする謙虚な心を持つことからはじめてみてはどうでしょうか。
人生は、どんなに優れた能力を持っていても、自分ひとりの力だけでは生きていくことはできません。ビジネスでも、ひとりで仕事が完結してしまうことはほとんどないのではないでしょうか。
自分だけでは手が届かない部分を補ってくれるのは、自分の周囲にいる仲間です。そして、そこには最低限の礼儀がなければいけません。
また、謙虚も礼の内にあります。
最近は、「虚礼廃止」をルールとする風潮が社会に増えてきているようですが、わたしは、形式的なものであっても「礼」は「礼」ではないかと思います。
たとえば社交辞令のような年賀状やお中元、お歳暮でも、送られてきたほうはしっかりと見ているものです。心証が悪くなるわけがありません。虚礼を繰り返すことで、そのうち人間関係が深くなることもあるのではないでしょうか。
今、世界中でコロナ感染が猛威を振るっています。そして、社会はできるかぎりオンラインの繋がりにチェンジしています。その結果、自殺者の増加といった恐ろしい結果になっています。
人は、人と人の繋がりがなければ生きていくことができないと感じます。そしてその人と人の繋がりを結びつける「礼儀」についてこの様な時代だからこそ、その大切さについて、今一度考えていただきたいと願います。