平成二十六年甲午、改歳の令辰を祝し、謹んでお喜びを申し上げます。
親鸞聖人は「唯は、ただ一つ、二つ並ぶを嫌う言葉なり」と唯心鉦文意の中に述べられております。この「嫌う」とはまだ他にある、代わりがあるという考え方を嫌うという意味です。
元旦だけでなく、「毎日」を「1月1日」と心得て生きていくことが本当の生き方であると我々に教えてくださっています。
また、「松立てず、しめかざりせず、餅つかず、かかる家にも春は来にけり」といった昔の句があります。現在はなかなかお正月らしい飾りをしないお家が多く なりましたが、この句は正月の飾りは自分の心の中にこそ、厳かに飾り、人生を生き抜く誓願を確立することが真実の飾りであるという意味です。
さて今年は、年賀のご挨拶に京都安泰寺の内山興正師の詩「拝む」を紹介させていただきました。詩の一文に「両手を合わせ、一切万物を拝もう」とあります。
ただひたすら「拝み」、それぞれが自分自身の心をしっかりとお持ちいただければと念じております。
※人間国宝、山内一生作「霊峰富士」